西松建設 KV 西松建設 KV

集合写真左から
西松建設株式会社

社長室・人財戦略部長 神谷拓生さん
社長室・人財戦略部係長 土肥美絵さん
土木事業本部土木設計部 一瀬愛可さん
建築事業本部建築部担当部長 山本治さん

女性たちが輝く場を提供している「けんせつ姫」。
素晴らしい取り組みだと思います!

未来のレタス、できました。

このたびは「けんせつ姫」へのご協賛、そして取材へのご協力をありがとうございます。まずは、土佐工業が取り組む「けんせつ姫活動」にご協賛いただいた経緯、理由を教えていただいてもよろしいでしょうか?

(神谷部長)
「けんせつ姫活動」に協賛するきっかけになったのは全国建設業協会(全建)のイベントです。私どもの会長は全建の会長職もしておりまして、イベントで土佐工業さんの取り組みを知り、柴田社長さまとお話する機会がありました。その際に、「西松建設も女性活用の取り組みをもっと積極的にしなくてはいけない」と強く感じ、「けんせつ姫活動」に協賛させていただくことになりました。

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「けんせつ姫」では「建設ジョブ.net withけんせつ姫」として、性別にかかわらず建設業の求人のお手伝いもしているのですが、西松建設さまの現状の採用状況について教えてください。

(神谷部長)
西松建設では年間100人の新卒採用を行っていまして、中途も年間で10人ほど採用しています。このうち、女性の採用は全体の2割程度になりますね。採用した女性の内訳ですが、建築・土木部門、管理部門、事務部門にほぼ同じ割合で配属になっている状況です。

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この人数は採用目標数を達成した数字なのでしょうか?

(神谷部長)
はい、なんとか(笑)。ただ、学生さんの数が今後減っていく中で、将来的に本当に必要な人財を集められるのかという懸念は常に持っているんです。厳しい状況が訪れる危機感、不安は小さくありません。
(山本部長)
私も採用に携わっていますが、学生さんが減っているうえに、技術系の大学を選択する人も確実に少なくなっています。そこから土木・建築の施工を目指す人財というのは本当に貴重なんですね。特にここ3、4年は、そのことを強く実感しています。

今後、特に人材採用を進めたい部門や職種などはありますか?

(神谷部長)
人財戦略のお話をさせていただくと、西松建設には「西松-Vision2027」というものがありまして、10年先を見据えたさまざまな計画を立てています。国内建設もさらに進化、深化しなければなりませんし、そこでは、これまで関わりの薄かった業務にも携わる必要があります。具体的にはICT(情報通信技術:Information and Communication Technology)であったり、その業務を担当する情報職など、専門の技術に特化した人財を積極的に採用していくつもりです。この専門職では、女性の活躍にも大いに期待しています。

西松建設 インタビュー画像03西松建設 インタビュー画像03

建設現場で活躍されている女性には、監督をされている方が多いのでしょうか?

(神谷部長)
そうですね。今は土木設計部にいる一瀬も、その前は現場で監督をしていました。

一瀬さんは現場監督としてどのくらいの期間働かれていたのですか?

(一瀬さん)
3年半くらいです。

その3年半の期間で、女性が働きやすい環境になってきたなと実感するような、なにか現場の変化を感じることはありましたか?

(一瀬さん)
そうですね。私が現場に入ったばかりのころは、女性の技術者がいる場合、女性用のトイレを用意しましょうという感じだったのですが、今では女性の有無に関係なく、現場で当たり前のように男女のトイレが用意されるようになりました。

なるほど。現場経験の長い山本さんも、そういった現場の変化を強く感じているのではないですか?

(山本部長)
建築現場は土木に比べても街中の現場が多いですから、女性の職人さんが多く活躍しています。特にここ3年くらいだと思いますが、女性を意識した現場づくり、運用が行われるようになってきましたね。トイレだけではなくて、休憩室、パウダールームまで兼ね備えているのが本当に当たり前になってきました。

それは素晴らしい変化ですね。

(山本部長)
ええ。特に建設に関しては、日建連さんが取り組んでいる「快適職場」に準じて、「西松快適職場」を全国の現場に広めようと積極的に活動しているんです。標準バージョンとして女性トイレや休憩室を設置しようという動きになっていますね。
(土肥さん)
環境面の変化は本当に大きいと思います。今は人財戦略部に統合されていますが、5年前、私はダイバーシティ推進課に所属しておりまして、当時、女性の環境について全国の支社・支店・現場にヒアリングを行いました。そこで日建連さんに準じる環境設備を整えようという動きになり、今では関東だけではなく、全国にそうした意識が浸透するようになりました。
(一瀬さん)
いろいろな現場を経験している女性の職人さんなどに聞くと、女性トイレが設置されていない現場も多いそうなんです。「トイレが快適だよね」と、女性の職人さんに喜んでもらったこともありますね。

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土佐工業では現場で活躍する女性にフォーカスした「けんせつ姫」というフリーペーパーを発行しています。ご覧になっていたら、感想をいただけますか?

(土肥さん)
女性の私から見ても、すごく格好いいなと思いました。写真も、女性の作業服姿が本当に格好いいんです。女性社長の柴田さんがご自身の体験をもとに作られているので、男性目線ではない本物の女性の存在感がダイレクトに伝わってくるんですね。「けんせつ姫」を見ると、建設の仕事に携わりたいという女性が増えるかもと感じましたし、素晴らしい取り組みだと思います。
(神谷部長)
私も拝見しましたが、先進的だなぁと驚きました(笑)。作業着姿の写真ひとつとっても、我々の感覚では、なかなか作れない本ですよね。
(山本部長)
私たちが採用する女性たちも、現場監督になるには凄い覚悟があると思います。建設業界に飛び込んできた女性たちが輝く場を提供している「けんせつ姫」を見て、いい取り組みだなと思いましたね。この本を見た若い子たちが、格好いいな、建設業界を目指したいなと思ってくれたら嬉しいですね。

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最後に、建設業界に興味を持ち始めた学生さん、他業界の特に若手の方に向けて、業界の先輩からメッセージでもアドバイスでも結構ですので、ひと言お願いできますか?

(神谷部長)
インフラを整備するということで、多くの人々の役に立てる仕事です。特にゼネコンは最前線で自分たちがつくっているんだと、強く実感できる仕事なんですね。完成したときの喜びは本当に大きいと思います。この喜びを、ぜひ一緒に体感しましょう。
(土肥さん)
建設業界は一人ではなにも建てられません。今は個人のスキルを伸ばすことが求められる時代ですが、この業界は集団、共同の中で自分を生かすことが非常に大切なんですね。この建設業界ならではの世界に興味を持って欲しいですね。
(一瀬さん)
実際に働いてみて、大変なことも多い仕事ではありますが、多くの人々が使い、触れるものをつくるという喜びは、なかなか、ほかの仕事に代え難いと思います。現場の人間関係、人とのつながりも魅力的ですし、貴重な経験ができる仕事だと思いますので、ぜひチャレンジしてください。
(山本部長)
モノをつくる本当に面白い世界だと思うんです。建築であれば皆さん、スカイツリーのようなランドマークを建てたいと思うかもしれませんが、私の感覚でいわせてもらえれば、自分で建てたものはすべてランドマークですし、そうしたランドマークを形として残していける仕事なんです。つらいこともあるかもしれませんが、建設業界は確実に変わってきています。本当にモノづくりが好きならば、日々、景色が変わる世界を知って欲しいですね。